『魔法都市麻帆良』
The 1st Story/始まりの風



―――ここは……?

――「いかんっ!―――暴走だっ!総員退避!急げ!」

―――どこだ……?

――「っ!!―――アルベルト!」
――「!!」

―――……ああ、そうか……

――「くそっ!―――必ず探し出す!貴様がどこにいようと必ず―――必ず見つけてやるぞ!」

―――はは………期待しておいてやろう

――「―――おいこの馬鹿!死ぬんじゃねえぞ!
   ―――いつか必ず帰って来い!忘れんな!!」

―――ああ、死なんとも
―――……必ず、―――帰るに決まっているだろう
―――約定を……果たすために――



「―――ところでここはどこだあの馬鹿め訳のわからん所へ飛ばしてくれたなろくでもない所だったらどうしてくれるまずは帰る手段を探さねばならんかそれにしてもここは本気でどこだあの阿呆め戻ったらシメる、決まりだ」
「――アルベルト様、無意味にテンションが高いのは結構だと判断しますが
 今現在何に向けられているのか分からないやる気を普段から発揮して欲しいと進言します」
「ノインかそういえばお前もいたんだったな俺の気力はいきなり急降下したぞ」
「私の存在がアルベルト様の気力に関係あるのでしょうか?詳しい説明が必要と判断しますがいかがでしょうか?」
「ははは貴様は妙な事故に巻き込まれても変わらんな、ほんの少しだけだが安心したぞ?」

深夜の学園都市、その郊外の森の中で妙な掛け合いをしているのは1人の青年と女性
ノインと呼ばれた銀髪の女性は侍女服――俗に言うメイド服をしっかりと着込み
そしてアルベルトと呼ばれたブロンドの髪の青年は軍服のような服に身を包み
腰には金属片で補強がされた50cmほどの木杖を差している

だが、さらに目を引くのは右腕の位置に在る巨大な緑色の義腕
無意識にその巨大義腕を左手で撫でつつ、ふとアルベルトはノインに問う

「―――そう言えば……ノイン、緑獅子・改(ノイエ・グリューン)はどうした?」
「緑獅子・改でしたら……――アルベルト様の真後ろに」
「ん?」

言われて何気なく振り向いたアルベルトの目に写ったのは

「―――何だこの阿呆な状態は?
 ……修理等の必要はあるか?ノイン」

どんな状況に陥ればこうなるのかは不明だが
緑獅子・改(ノイエ・グリューン)”と呼ばれた緑色の人型機械は頭部から森林に突っ込んでいた
―――少々間抜けな光景である

嫌そうな顔で緑獅子・改を見ながらアルベルトが問うと
ノインは応じるように一礼してから答える

「いえ、先ほど調査を行ないましたが特に損傷は見うけられません
 記乗を行い体勢を整えるだけでよろしいと推察します」
「そうか、…………ではノイン、お前は周囲の探索を行なってこい
 ここがどの都市なのか……せめてどの大陸に居るか知る必要があるからな」
「承知いたしました、――それでは」

ノインは裾を摘んで再度一礼し、動きにくそうな服を着ている割に俊敏な動きで走り去る
後に残ったアルベルトは林の中に逆さで埋まる巨大な人型機械に視線を向け

「……さて」

と呟いてから逆さになっている緑獅子・改の背部に回ると、後頭部の出っ張りから緑獅子・改へ乗り込む
数分し、緑獅子・改の顔面にある視覚素子…………人で言う目の部分に明かりが灯り
逆さになっていた緑獅子・改がその身を立て直す

『よし、これで……ん?』

緑獅子・改が一息つこうと何気なく夜空に輝く三日月を見上げた時
人間より遥かに良い緑獅子・改の視覚素子がこちらに向かってくる何かの影を捉える

『――ふむ?……よく見えんな』

―――アルベルト・視覚技能・発動・遠視・成功!

アルベルトはかつて異国の学校で修得した技能と呼ばれる能力を使用する
それは一定の拍詞を身体能力発現のキーワードとし、“発動”という言葉の流れによって条件反射的に能力を発生させるものである
それを視覚に用い、未だ遠くにある影を見分ける

『――……子供?』

視界の遥か先には金色の長髪をなびかせる黒衣の少女と
自分の従者の物とは意匠の異なったメイド服を着た緑髪の少女がこちらに向かって飛んでくるのが見える
それを見たアルベルト=緑獅子・改は首を捻りつつ呟く

『ふむ、―――何者だ?』

―――アルベルト・心理技能・発動・思考抑制・成功!

女の子二人が空を飛ぶという事自体は彼の世界ではさほど珍しい事ではないが
少々面食らってしまって余計な事を考えそうになった思考を技能により半強制的に抑える

―――アルベルト・視覚技能・発動・見極・成功!
   ―――アルベルト・心理技能・発動・照合・成功!

緑獅子・改は更に技能を重ね、視覚から得られた情報と己の知識を照らし合わせる

『――吸血種に自動人形……?また随分と奇態な組み合わせだな
 しかもなんだあの吸血種は?見た目に反して相当の年月を生きているようだが……』

緑獅子・改は呆れたように呟き、少々思案して片膝をつく
数分後、緑獅子・改の首筋からアルベルトが現われ、緑獅子・改の頭の上に登る

アルベルトが右腕の義腕に何か小さな声で語りかけると
応じるように義腕が唸り声にも似た小さな駆動音をあげ、やがて緩やかな音律を持った音楽となる
それは風神の名を持って風を律する音楽
それに合わせて彼の口から紡がれるのは彼固有の詞

『高き空に稲妻は疾り 共に猛き疾風は吹く
 かつて竜と共に舞い 現在を人と共に歩む
 他者の道を横に置き 己が道の先を見据え
 ただ一つ道を往かん』

詞を唱えるとアルベルトは空を見上げ
腕を組みつつ楽しそうに呟く

「―――さて、どうなるのだろうな?」


Side???


―――何者かが結界内に侵入したようだな……
―――……忌々しい、サウザントマスターの呪いさえなければ無視する物をっ!
―――更に忌々しい事に今の私は呪いに逆らえないので侵入者を始末しに向かう事にする

「何だ――――あれは?…………まあいい」

2人の少女森の上をしばらく飛んだ先で見えてきたのは
鈍い緑色の光沢を放つ10mほどの大きさを持つ巨人
そして、その上に立つ緑色の巨大な義腕を身につけた青年が視界に映る
少女の内片方、黒衣を纏った金髪の少女は奇怪な光景に眉をしかめるが
すぐにその視線を鋭い物へと変え、隣を飛ぶ自分の従者へ声をかける

「どうせあいつが侵入者だろう、――…仕掛けるぞ茶々丸!」
「――イエス、マスター」


Sideアルベルト


―――アルベルト・心理技能・自動発動・殺気感知・成功!
   ―――アルベルト・視覚技能・自動発動・視認・成功!

「――っ!!」

突如殺気を感知し反射的に身構えたアルベルトの視界に入ったのは唸りを上げて襲い来る17本の氷の矢
アルベルトは目線の動きだけで周囲を見回し、一瞬で弾道を予測

―――アルベルト・軍事技能・発動・弾道予測・成功!

「(このままでは緑獅子・改に当たる…………―――回避はできんか!)――竜帝っ!!」

―――アルベルト・義体技能・発動・『竜帝』起動・成功!
   ―――アルベルト・義体技能・発動・『竜帝』第三駆動・成功!
      ―――アルベルト・風神技能・発動・風神発動・成功!


回避は不可能と判断し、自分の持つ巨大な右義腕『第五竜帝』を起動させる
竜帝は起動を知らせるように大きな駆動音と豪風を巻き起こす
アルベルトは迫る氷矢を睨み、竜帝を引き絞ると

「―――はあっ!!」

―――アルベルト・義体/回避/風神技能・重複発動・風神迎撃・成功!

轟音と風を持って振るわれた鋼の巨大義腕の横薙ぎは全ての氷矢を払い落とし
アルベルトは弾けた氷が造った霜を軽く払うと、未だ遠くの2人を見据える


Side???


「な!?―――私の魔法の射手を避けるのではなく叩き落した!?一体何だあいつは!? 」

牽制とは言え17発もの氷矢をあっさりと叩き落され驚愕する金髪の少女
反射的に自分の従者目掛けて怒鳴る

「茶々丸!」
「魔力でも気でもありません、未知のエネルギーが検出されています」
「くそっ!このエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルの魔法をああも容易く!?何者だあいつは!?」

茶々丸と呼ばれた少女は冷静に答え
エヴァンジェリンと名乗った少女はそれを聞いて悪態をつきながらも再度魔法の詠唱を始める

「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック『氷の精霊34頭、集い来たりて敵を切り裂け!魔法の射手・連弾・氷の34矢!!』」

彼女が詠唱を終えると同時
その背後から発生した30を越える氷の矢がアルベルト目掛けて襲い掛かる


Sideアルベルト


「(ちっ!―――神術師か!?)竜帝!!」

アルベルトの声に応え、緑の義腕が大気を震わす砲声をさらに強める

―――アルベルト・体術技能・発動・防御姿勢・成功!
   ―――アルベルト・義体/回避/風神技能・重複発動・風神防御・成功!

アルベルトが竜帝を掲げるとその叫びに応じるように更なる豪風が発生
風は竜巻となり、闇を切って襲い来る34の氷矢を吹き散らす

「ある程度覚悟はしていたが………随分と問答無用だな…」

アルベルトの呟きに応える様にエヴァンジェリンと茶々丸が地に降り立ち
アルベルトも合わせるように緑獅子・改から飛び降りる

「(―――あの矢をまた撃たれてはたまらんな……)
 さて、いきなり物騒だな、――俺に何か用か?」

地面に着地し、眼前の少女2人を見るアルベルト
相手の機嫌を損ねるのは得策でないと考え彼なりに穏やかな口調で話しかけるが

「それはこちらのセリフだ!一体何者だ貴様!?
 いくら魔力を封じられているとはいえ………私の『魔法の射手』をああも簡単に打ち払うとは!?」

エヴァンジェリンは全く意に介さず逆に偉そうな口調で質問してくる

「(向こうも日本語か――――む?)……―――『魔法』だと?それはどう言う……」

目の前の少女が自分と同じ言語を使っていることに軽く安堵するが
聞き慣れない単語に思わず問い返すアルベルトだが……

「―――まあ、そんな事はどうでもいい
 それで貴様の目的は何だ?」
「おい」
「ジジイの孫か…………それとも世界樹か?」
「無視をするな貴様」
「ククク、まあ、捕らえれば同じ事――「話を聞け阿呆」――ヘブッ!!?」

少々自己陶酔でも入っているのか一向に話を聞こうとしないエヴァンジェリン
なにやら邪まな感のある表情で何か呟いているが
話が進まないと判断したアルベルトが投じた木杖の先端が額に直撃する
即座に木杖と軍服を結ぶ紐を引いて木杖を回収するアルベルト
そして額を抑えて悶絶するエヴァンジェリンと彼女を宥めるように傷の具合を見る茶々丸

「――っつぅぅ……―――何をする貴様!?」
「ああマスター動かないで下さい痣になります」

涙目で叫ぶエヴァンジェリンと彼女の額をどこからとりだしたのか濡れたハンカチで押さえる茶々丸
当然先ほどまであった緊張感は霧散している
アルベルトは半目をエヴァンジェリンに向けると

「――人を差し置いて勝手に話を進めるな
 人の話を無視する者には人為的かつ物理的な天罰が下ると遥か昔から決まっているのだ知らんのか」
「知るかっ!と言うか何者だ貴様!!何が目的で進入してきた!?」
「―――進入だと?」

思わず眉をしかめ、周囲を見回すアルベルト
今現在居る場所は薄暗い森の中
時刻は6〜7時頃だろうか
少なくとも付近に建物は見当たらない(木の陰で見えないだけの可能性もあるが)

元々自分はどこへ飛ばされるかわからない実験につきあっていた
どこかの私有地や国有地……国が直接関わっている場所へ飛ばされた可能性も十分に有り得る

―――下手したら国際問題にもなりうるな
そういう結論に至り内心で苦笑を浮かべていると

「―――おい!聞いてるのか貴様!」

苛々とした様子で怒鳴るエヴァンジェリン
その背後では茶々丸が油断なく身構えている
アルベルトは苦笑し、軽く頭を下げ

「―――ああ、済まないな」
「――ふん、侵入者にしてはずいぶん殊勝な態度だ――「悪いが全然聞いていなかった、で、何だ?」―――……」

この反応は流石に予想外だったのか目を丸くして固まるエヴァンジェリン
後ろの茶々丸もやや驚いたような表情で構えを緩めている

「(中々面白い連中だな……)」

そんな事を思いながら再び周囲を見回し始めるアルベルトだが

「………………ふ……ふっ、ふっ、ふっ、ふっ――――」

ふと聞こえだした妙な声に気づき音源と思われるほうを見ると
そこには顔を俯かせたエヴァンジェリンが不気味な音程で唸っている

「む?」
「マスター?」

アルベルトが首を捻り
茶々丸が声をかけようとした瞬間

「―――ふっっざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!!」

顔を真っ赤(おそらく怒りによるもの)にしたエヴァンジェリンが爆発した

「む」
「ああマスター落ち着いてください」

慌てた様に茶々丸が宥めるがエヴァンジェリンは聞かずに騒ぎ立てる

「ふざけるな貴様この私にあれだけ言わせておいて聞いてなかっただとバカにしているのかいやしているなこの不死の魔法使いである私をバカにするとはいい度胸だええいこれほど露骨にバカにされたのはあいつ以来だいやそんなことはどうでもいいジジイに殺すなと言われていたがもう関係ない死ぬまで甚振ってやろうかそれとも氷柱に閉じ込めた後粉々に砕いてやろうかそれともエグゼキューショナーズソードの錆にしてやろうかさあどれがいい寛大な私が選ばせてやろうさっさと決めるがいい!!」
「おお(…………―――む?不死の“魔法使い”だと?)」

凄まじいまでの長台詞をほぼ一息で言い切ったエヴァンジェリンに思わず拍手を送るアルベルトだが
エヴァンジェリンの台詞の中に再び妙な単語を聞きつけて眉をひそめ、思わず声をかける

「―――おい、その前に1つ答えてもらいたいことがあるのだがな?」
「……………………何だ?遺言以外は一切受け付けんぞ決定だこの私をあそこまでコケにしてくれたのだからな」
「――さっきから言っている魔法とは何だ?御伽話の世界でもあるまいに…………ああ、それともここはそういう都市なのか?」

アルベルトの問いはエヴァンジェリンにとっては訳の分からないものであった
面食らったエヴァンジェリンは毒気を抜かれて反射的に答えてしまう

「貴様…………貴様こそ訳のわからん事を言うな!」
「む?」
「『む?』じゃない!!まだ貴様は私を馬鹿にする気か!」
「――ふむ、別に馬鹿になどしていない
 我が機甲都市である伯林が機械と異族の都市であるようにこの都市にもそういう特色があるのだろう?
 で、ここはどこだ?帝聖都市か?神罰都市か?―――まさか矛盾都市か?」
「――――は?」
「……………?」

再びアルベルトから珍妙な問いが発せられ
思考停止して固まるエヴァンジェリンと茶々丸
その様子を見てアルベルトは眉をひそめると

「―――む?まさか知らんという事もあるまい?
 この世界に生きる者なら機甲都市の名は少なからず知っているはずだろうからな」

アルベルトはそれだけ告げると左手を顎に当てて二人の答えを待つ
二人の少女の内の片方の金髪の少女の姿をした吸血鬼(エヴァンジェリン)
その容姿から推察するに欧州系だろうが日本語を話している事からここが日本の可能性はかなり高い

そしてもう片方の緑髪の少女(茶々丸)が自動人形であるのは間違い無い
ただ、かなりの数の自動人形を見てきた自分でも始めて見る造りをした間接や耳の位置にあるアンテナのようなパーツが目に付くが
その造りはかなり洗練されている

「(ふむ、――よほどの昔に造られた型か最近造られた型のどちらかか)」

そう結論付け、2人の答えを待つ
ややあってから、エヴァンジェリンが半目の視線をこちらに向けながら言う

「―――…………その伯林とやらは独逸の首都のベルリンの事か?」
「他に何がある?――まあ、確かにこの日本で伯林などといきなり言われれば戸惑うのもわからんでもないが」
「いえ、私達が言いたいのはそうではないのです」
「む?―――どういう事だ?」
「私達は機甲都市や矛盾都市などという単語は聞いたことが無いと言う事だ
 この私も600年間生きている中で始めて聞いたぞ」

茶々丸が答え、眉を潜めたアルベルトにエヴァンジェリンが補足する

「何……?」

―――アルベルト・視覚技能・発動・流体感知・失敗!!

反射的にアルベルトは己の世界の根幹を成す物質を技能を用いて探すが
本来なら失敗しようのないその技能が失敗し、軽く目を見開くアルベルト

「(―――流体が存在しないだと………?
 ―――…む?……何だこの大気に満ちる強い力の流れは……?)」
「で?私は質問には答えてやったのだ、お前も私の質問に答えてもらうぞ(殺るのはいつでもできるしな)」
「―――………いいだろう」
「ではまず、―――お前は何者だ?」
「ふむ――」

その問いにしばらく考え込み
数瞬してから何かを確信したように口を開く

「………それにはこう答えるしかあるまい
 ―――独逸竜騎師団が末裔
 G機関空軍中尉、『竜風騎師』アルベルト・シュバイツァーとな」

アルベルトが己の名と役職を告げると
エヴァンジェリンは訳が分からないとばかりに顔をしかめ

「―――はぁ?何だそれは、さっきの伯林といい、ゲルマニアと言うからには貴様はドイツ人なのだろうがな」

しかし、と一息入れ

「――独逸竜騎師団?G機関?どちらも聞いた事が無い
 …………本当に何者だ貴様」

ジト目で睨んでくるエヴァンジェリンの視線を無視し、アルベルトは質問に答える

「ああ、俺は独逸が一都市、機甲都市 伯林の出身だ
 ―――まあ、この世界には関係の無い事かもしれんが」
「この世界に関係無い?また訳の分からん事を言うな?
 益々訳が分からんぞ」

憮然とした態度でそう言うエヴァンジェリン
アルベルトはそれを見て内心溜息をつきながら答える

「いや、分からなくて当然だろうな」
「?、なぜだ?」

疑問符を頭に浮かべて尋ねてくるエヴァンジェリンと
その後ろで無言のまま立つ茶々丸
アルベルトはそんな2人に今さっき確信した事を告げる

「―――どうやらこの世界は俺にとっての異世界らしい」
「な!?」
「………!」

固まってしまった2人を見てアルベルトは苦笑を浮かべつつ追い討ちをかける

「まあ、俺も今気付いたのだがな、――少なくとも嘘ではないぞ
 俺の義腕『第五竜帝』と」

後ろの緑獅子・改を『竜帝』の指で指し

「この重騎…――緑獅子・改が良い証拠になるだろう?」

最も、この世界にもこう言う物があるのなら話は別だがな?そう付け加えた後
アルベルトは腕を組み、笑みを浮かべてこう言った

「―――で?少しは信用してくれたか?」

冗談めかしたその声に追随するかのように
竜帝が低く唸り声を上げる―――




――さあ、ここから物語が始まる
青年が出会う人々とは?
青年が歩む道のりとは?
全てはここから始まる
麻帆良で始まる物語、とくとお楽しみあれ




1st Story後書き

どうも、「魔法都市麻帆良」第1話更新です
コモレビさんのご厚意により掲載させていただくことになりました
気に入らない所などを少しづつ改訂しながら更新していきたいと思います

それでは


〈続く〉

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