???内 広場?

俺は金髪の娘の後ろに付いて今居る建物から外に出た
出た直ぐ前には石畳の広場が広がっていて真ん中には大きめの柱が建っていた

「おぉ…」

思わず声を漏らして周りを見てみる

そこは円状な広場で端側には柱が囲っている様に建っている
俺が出て来た建物の対面には通路が見えているが少し進んだ辺りで行き止まり(断崖絶壁っぽい)になっていた

「さぁ!始めるぞ!!」

俺の方に向き直した金髪の娘が意気揚々に…って、ちょい待て!!

「何時の間に頭数増えてるんだよ!?」

そう、目の前には金髪の娘の他にさっき迄食事の世話をしてくれた茶々丸ちゃんに
片言で態度が自身の体格の5乗位ありそうなチャチャゼロという茶々丸ちゃんのお姉さん(?)が居た

「フン、コイツ等は私の従者だ私の側に居て当然だろう。……それとも怖気付いたのか?」

3対1
数字の上ではなかり優位に立った金髪の娘が若干得意げな顔になる
だが、俺に向けられた「上から目線」的な台詞を聞き俺は本日何回目になるか分からないが心底「ムカッ」って来た。

「ほぉー……いいぜ。
 従者だかジューサーだか知らねえが、お子様相手には丁度いいハンデじゃねーか!!」

数では負けても意気込みでは負けじと相手を挑発する
更には「お子様」って単語は余程気に食わないらしくまた態度と急変させて

「チャチャゼロ!茶々丸!骨の10、20本折ってあの減らず口を黙らせろ!!!」
「アイサー、ゴ主人!!」
「了解です。」

なんて物騒な命令を聞いて2人(?)が襲い掛かって来る

「折り過ぎだってーの!!!」

物騒過ぎる内容にツッコミを入れつつも俺は2人(?)に向かって構える
構えるといっても俺は空手とかボクシングといった格闘技を本格的に習った訳ではなく
俗に言う『ケンカ殺法』で迎え撃とうとしていた
…と言うもの俺はケンカそのものは場数を踏んでいるのだ
銀色かかった白髪、両目という目立つ容姿のおかげで中学、高校とケンカ相手には事欠かなかった…が
流石にナイフと鉈を持った殺人人形や高スピードで突っ込んでくる女の子型ロボット相手は初めてだった

(迂闊に腕や足出したら、速攻持ってかれるだろうし…向こうは有線式ロケットパンチとか普通に撃ってくるしなぁ)

これまでの経験や先程見た映像を思い出し対応を考えようとするが

「ドーシタ?来ネーノカ?」

それよりも速く人形が持っている鉈が右肩側から振り下ろされて来た

「ちっ!!」

バックステップで後ろに下がるが相手は見通していたらしく直ぐに追撃してきた

「ケケケケケ!」

左側から付きこんで来るナイフに対し
俺は右足を軸に体を時計の逆周りに回してかわす、そのままチャチャゼロの頭の上から拳を打ち下ろそうとした途端…

「失礼します」

…と茶々丸ちゃんの声と共に来た有線式ロケットパンチが俺の右頬に直撃し
そのまま2〜3mほど吹き飛ばされ、石畳に叩き付けられた

「が……っ…」

っ痛てぇ…
グーパン1発であんなに飛ばされるか?普通?

「ヨク飛ンダナァ、オイ。ケケケケケ!」
「………」

楽しそうに笑ってんじゃねぇって…

「おい!これで終わりだなんで言うんじゃないだろうな!?」

チクショウ…絶対向こうでニヤニヤしながら言ってるんだぜ、アレ。

「じょう…だん」

俺は何とか立ち上がろうとする…
けれども…かなりヤバい…膝が笑ってるし、口の中も切れて血の味がする
今更だけど『何でこんな事しなけりゃならないんだ?』…なんて思っちゃったりもし始めた
売り言葉の買い言葉ってヤツなんだろうけれども、ここまでやるかよ?

「…マスター。先程のダメージによりこれ以上の戦闘続行は難しいと判断されます」
「ケッ、ツマンネーナ」

もしかして…『終わり』って単語が出てくる?

「フン!私はまだ満足していない!!続けろ!!!」
「オー、悪ダナゴ主人」
「…失礼します」

あぁ…俺が『終わり』かよ…

「恨ムナラゴ主人ヲ恨メヨ?ケケケ!」

本当に楽しそうに笑うな…この殺人人形は

「どうする!?このままチャチャゼロと茶々丸に殺されるか!?
 死にたくなければさっきの力をもう一度見せてみろ!!」

なんでお前なんかに必死に隠してる俺の『悪魔化』を……
…って、そういえば…そこの殺人人形以外は見られたし知ってるんだったよな?

………

……



「ああぁっ!!」
「「「!!??」」」

なんで俺最初から使わなかったんだよ!?思いっきり殴られ損じゃねぇか!!
こうなったらとっとと終らせて正座で座らせて説教してやる!!

「ン?ナンカ立チ上ガッタト思ッタラ震エテルゾ?アイツ?」

よく見てろよテメーら

「先程と同様の発光現象を確認、さらにあの方から大量の魔力が検出されています」

お望み通り見せてやる

「やっと…か」

この力をと姿をなぁ!!!!!

「ガアアアアアァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」





オイオイ、急ニ変身シタジャネーカ
シカモゴ主人ト妹ハコノコトヲ知ッテイタミタイダッタシ…ノケモノカ?オレ?

「ガアアアアアァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」
「!!」

アイツ本当ニ人間カ?アリエネークライ禍々シイ魔力ヲ感ジルゾ

「オイ、妹ヨ。アイツハ本当ニ人間カ?」
「ご自分では人間と仰っていました…」
「デモ、コレハネーダロ」

叫ンダダケテびりびりトアイツノ魔力ガ襲ッテキヤガル…人間ジャネーダロ、コイツ

「姉さん、来ます!」

急ニオレノ方ヲ向イタト思ッタラ
両手ニ剣ヲ持ッテ(何時ノ間ニ持ッタ?)向カッテキヤガッタ…

「オォ!?」

サッキトハ比ベ物にニナラネー速サデ間合イヲツメルト、アイツハ持ッテタ剣ヲ振リ被ッテキヤガッタ

「―――喰らいな、『乱心の一刀』!」



……

………



ガキィッッ!!

ナンカ名前ツケテタミテーダガ、何テ事ハネェ!思ッテタヨリモ結構軽カッタナシ見掛ケ倒シジャネーノカ?

「ケケケ!オ返シヲサセテモラオージャネーカ!!」

当然ヤラレタラヤリ返ス
ソレニ、攻撃ハ大シタ事無カッタンダカラセメテ斬ル感触位ハ楽シマセロヤ!!

ガガガガガガガッッッ……

オオッ!結構硬クナッテルナ、今ノヲ全部両腕デ防ギヤガッタ
ダガ、サッキノ攻撃ガ効イテネーノガ響イテ覇気ッテヤツガ萎ンジマッタミテーダナ
びりびり感ジテタ魔力ガ今ノコイツカラハ全然感ジネェ

「ドーシタ!?びびッチマッタカ!?」
「…ぇ………」

少シ攻撃ノ手ヲ緩メテミタガ全ク攻撃シテコネェ完全ニびびッチマッタミテーダナ
…マァ、コレハコレデ楽シーガナ。ケケケケケケケ!!!

「ケケケケケケケケケケ!!!!何時マデモツダローナァ!!ケケケケケ!!!!」





何をやっているのだあの2人は!
チャチャゼロがヤツの一撃を喰らったかと思えば、いきなり仲間割れだと?

「ドーシタ!?びびッチマッタカ!?」
「ね、姉さん…何を…?」

状況を見るに…どうやら幻術らしき物をかけられたようだが、何時の間にチャチャゼロに掛けたんだ?
詠唱をしている様子は無かったし、アレは無詠唱で発動出来るような術式では無さそうだ
怪しいのはさっきの雄叫びだが…タイミングかずれている…

「ケケケケケケケケケケ!!!!何時マデモツダローナァ!!ケケケケケ!!!!」

ええい!考えても埒があかん!!先ずはチャチャゼロを大人しくさせるのが先か!?

「茶々丸!チャチャゼロは私が……」
「させねえよ!『フブ』!!」

ヤツから放たれた氷塊が私に向かって来る。無詠唱にしてはなかなかの威力の様だが

「甘い!!」

氷楯(レフレクシオー)』でヤツの氷塊を防いだ後、私は上空に上がり間合いを広げた
そう…「魔法」の間合いまで

「キサマ、この私に氷の魔法で挑むとはいい度胸だ!!気に入ったぞ!!!
 褒美にこの「闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)」の氷魔法を見せてやる!!」





「チッ、外したか」

『乱心の一刀』であの殺戮人形を混乱させて茶々丸ちゃんを足止めさせた迄は上手くいったが
『フブ』であのお子様を仕留めれなかったのは痛いな、今思いっきり空飛んで見下してやがる
…こっちは飛べねーってのに

「キサマ、この私に氷の魔法で挑むとはいい度胸だ!!気に入ったぞ!!!
 褒美にこの「闇の福音」の氷魔法を見せてやる!!」

めっちゃイイ顔して宣言してやがる、絶対コイツSだ、ドSだ。

「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック 来たれ氷精 闇の精(ウエニアント・スピーリトウス・グラキアーレス・オブスクランテース) 闇を従え吹雪け常夜の氷雪(クム・オブスクラテイオーニ・フレツト・テンペスタース・ニウアーリス)!!」

だが、「属性」を俺に喋った時点で俺には通用しないんだよ!

「『闇の吹雪(ニウイス・テンペスタース・オブスクランス)!!』」
「『氷結ブレイク』!!」










あとがき……?

4話にしてやっとこさあとがきを書こうと決意したS’です
読んでみた後にあとがきが無いと何となく「寂しいかなぁ?」と感じたもので…
さて、いきなりですが一つお断りしたい事があります
この作品中で始が使う「スキル」「魔法」で効果が元ネタと若干違う場合があります…例えば今回みたいに(汗)
元ネタであるDDSアバタールチューナーの混乱の効果は
『選択したコマンドに加えて「何もしない」「逃走・呼び出し・リンゲージ技以外の勝手な行動」
 のいずれかを一定の確率で行うようになる』で
今回のように『メ○パニ』や『コ○フュ』の様な味方を攻撃する効果ではないのです
こういうのは極力無いようにしていきますが…もし、また書いてしまった場合は
「ハハッ、こいつめー」みたいな感じで流して頂けると非常に嬉しいです、ハイ

〈続く〉

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