―――某月某日 午前10:00 麻帆良学園 女子寮管理人室

「んっふっふっふ〜此花先生、今日こそは私のインタビューに答えてもらうよ〜」
「………はぁ」

「やられた」…今の状況を表現するならまずこの一言に尽きる
目の前にはこれ以上無いと言うほどの笑みを浮かべた女子生徒朝倉和美―――麻帆良パパラッチが居る
普段なら『瞬動』でも『気』での身体強化でも何でも使って逃げ切っていたんだが…
…今回は駄目だった、いや俺が駄目だったって言ったほうが正解だと思う
なんせ「先生の手料理食べたいから入れてー」って言われただけで何の疑いも無く部屋に入れたんだもの
もし過去に戻れるとしたら、間違いなく何があっても朝倉を部屋に入れないように過去の自分に言っただろう……それだけ後悔してる

「今日は此花先生の有ること無いこと全て答えてもらうからね〜」
「無いことなんぞ答えようにないだろうが……」

呆れる俺をよそに朝倉は細長い機械を俺に向けてきた、多分録音が出来る機械だと思う

「さ〜て〜何から答えてもらうかな〜?」

逃げ出してぇ〜………

「……ろくでもない質問には答えないからな」
「大丈夫大丈夫、ちゃ〜んと解っているから」

そんなニコニコした顔で言われても信用できないんですけど………ここって諦める所?



……

………





―――以下台詞のみでお楽しみ下さい

「じゃあまずは軽く自己紹介から」
「名前は此花始、身長は180ちょいで体重は80位、趣味は料理…得意なのは洋食だな」

「ふむふむ…次は家族構成お願いね」
「根掘り葉掘りだな、オイ……親父とお袋と俺の3人家族。因みに俺は養子だ、10歳位まで孤児院に居た」
「あ……マジ?悪いこと聞いちゃった私?」
「気にすんな大して気にしてねーから」
「う、うん……」

「じゃあ気を取り直して…先生の実家って洋食お店って話を聞いたけど名前とか教えて貰えないかなぁ?」
「取り直すの早ええよ…店の名前は「煉瓦亭」ってんだ、知ってる?」
「マジ?「煉瓦亭」って言ったらあの老舗の洋食屋じゃん!?本当?先生?」
「嘘言ってどうするんだよ、マジだマジ」
「よっしゃあ!得ダネゲットぉ!!」
「…よござんしたね」

「ところで先生の趣味って料理って事だけど…得意なのって何?」
「得意なのねぇ……実家麻帆良問わず一番評判良かったのはコロッケだな、一番シンプルなじゃが芋とひき肉のヤツ」
「えー……地味だなぁ…」
「よく言ったなコノヤロウ、言っておくが実家の店のコロッケは全部俺が作ってたんだからな」
「…人気無かったとか言わないよね?」
「…お前何気に遠慮とかないな、実家はオムライスが一番の人気だが俺のコロッケはそれに次ぐ人気メニューだ」
「じゃあ今度食べさせてよ!」
「オメーは駄目だ」
「ひどっ!」

「ところで今「実家麻帆良問わず」って言ったけど麻帆良で誰に食べてもらったの?やっぱ噂の葛葉先生?」
「どんな噂か聞き出したい所だが今は置いておいて…葛葉先生やこの女子中等部の一部の生徒に食べて貰って、かつ好評だったぞ」
「おお、やっぱり葛葉先生に食べて貰っているんだ、女子中等部(ウチ)の生徒も食べてるってのも気になるけど」
「…中等部の誰が食べたのかは言わないからな」
「えー……どうしても?」
「どうしても、言ったらお前絶対インタビューしに行くだろ?」
「もち!」
「だから言わない」

「次はあのバイクの事を聞いてもいい?」
「バイク…?俺のZEPHYRか?」
「ゼファー?先生ってバイクに名前付けてるの?」
「違うっての。カワサキのZEPHYR750、れっきとしたバイクの車種の名前だ
 大体5年位前に知り合いのツテで買って、ちょこちょこ教えてもらいながら弄ったりしてるんだよ」
「ふーん……車体の色がオレンジってのは?」
「オレンジは俺が一番好きな色だ……って何だその顔?」
「いやーいくら好きな色だからってバイクにまでその色使う?」
「余計なお世話だ!ってかなぁ地元じゃあオレンジのゼファーって事だけで十分なステータスだったんだよ!」
「どんな?」
「地元で悪評高い「武装天使」っていう族を俺一人で潰した……って何言わせるんだよ!?」
「じゃあ一人で暴走族潰したって噂は本当だったんだ…」
「………オフレコd「よーしよーし!このネタも貰いっ!」……はぁ」

「えーっと次は……葛葉先生との関係を……」
「ノーコメントで」
「え?」
「何されようと答えないからな」
「ちょっとだけでいいから…」
「ノーコメント」
「さわりだけで…」
「ノーコメント」
「お互い何て呼び合ってるとか…」
「ノーコメント」
「うぅ……」
「ノーコメント」

「じゃあ気を取り直して、新聞部に来た質問に答えてもらうからね〜」
「まだ続くのかよ…」
「まぁまぁ人気が有るって事だよ、え〜と「哥々(ココ)!手合わせして欲しいアル!!私は何時でも準備OKアルよ!!」だって」
「…どこからツッコんだら良いんか分かんねえ、しかも誰が投稿主かモロバレじゃねえか……ってかココって何よ?」
「中国語みたいだよ、意味は「お兄ちゃん」とか「兄貴」って意味だって」
「まだ「兄貴」の方がマシなんだが……いつから古非のヤツは俺の妹になったんだ?」
「さあ?…で返事は?」
「却下、俺は格闘家じゃないし格闘ジャンキーでもねーからな(女の子の顔面とか殴ったら何言われるか分かったモンじゃない…)」
「うわ〜ひど〜………じゃあ次の質問」
「お前も結構酷いな」

「え〜次は〜「挙式は何時にしますか?」…マジ?」
「んな訳ねーよ、未定って言っておいて…」
「はーい、今年中ね」
「今何つった?オイ?」

「次〜「せっちゃんとどうやったらそんな仲良く話せれるんですか?」」
「せっちゃんって誰?」
「さあ?」
「間違いじゃねーの?」
「でも間違い無く始先生宛てだったんだよ」
「ふーん…」

「どんどん行くよ〜「アンタ!高畑先生に手ぇ出したら承知しないからね!!」」
「ソレを書いたヤツは俺の事何だと思ってるんだ!?何?俺悪役!?」
「ハハハ……しょうがないなぁアスナは」
「お前の知り合い?」
「同じクラス」
「別に何もしないっての、何で仕事で世話になってるタカミチさんに手出しすんだよ」
「アスナは高畑先生の事になると歯止め効かないから」
「止めてくれ、思いっきり嫌な予感するから全力で止めてくれ」
「あ〜…保障は出来ないから……」

「はいは〜い次「葛葉先生を手篭めにした実力で是非ウチのシスターもお願いします」」
「フザケんな!手篭めにしてないから!!ってかコレとさっきの質問じゃねぇだろ!?」
「ま…まあまあ先生落ち着いて」
「はぁ……もういい、コレでインタビュー終わり。朝倉お前帰れ」
「えぇ〜!?まだいいじゃ〜ん?まだまだ面白い…じゃなかった良い質問あるんだからさ〜」
「面白いっつったな今?もう何も答えねぇ、帰れ!とっとと帰れ!!」
「いやいや先生、今のは言葉のアヤってやつでさ…」
「断る」
「も〜〜ちょっと、後1〜2個」
「やかましい!」
「お願い!お願いお願いお願いおn……」



……

………





―――15分後

「はぁ〜っ…はぁ〜っ…はぁ〜っ……麻帆良に来て…一番……疲れた…」
「あ!そうだ先生!私先生の手料理まだ食べさせて貰ってないけど」
「いい加減にしろぉ〜〜!!!」




あとがき

「正月だし何か違う事をしよう」…と思ったのでやってみましたが、正直「やっちまったなぁ!」感満載
……でも投稿する、それがS’クオリティ
でわ ノシ

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